Archive for 8月 31st, 2010

日銀新型オペ : BOJ fund supply tool

昨日まで「新型オペ」なる文言がマスコミを賑わせておりました。
「新型オペの拡充が予想される」とか「新型オペによる追加緩和、または為替介入」とか。
よくわからんが期待値「」な新型オペ。


なんすか?新型オペ、ってのは。。。


大人の人に聞いてみると正式名称は、「固定金利方式・共通担保資金供給オペレーション」
などというそうです。ロイターの英語サイトでは「The loans」とか「Fund supply tool」とか書かれているみたい。
日銀はこれを「広い意味での量的緩和」、「実質ゼロ金利」としています。


で、実際何をやるか。

「日銀が認める担保を差し出せば超低金利で3ヶ月間金を貸してやろう」
というものみたいです。前回このオペレーションの発表時は懐疑的だった人たちも、実際にドル反騰、株価上昇したのをみて「効果がある」と見直した模様。

なぜ前回は効果があったのでしょう。
なぜ今回は市場の反応が鈍いのでしょう。
そもそもこの新型オペレーションはどのように機能しているのでしょうか?


【ここから筆者推測】
ポイントは日銀と財務省の間に民間金融機関を介在させる点にあるようです。
大人の人たちは「もにょもにょごにょごにょ・・・」ではっきり言いませんが。

このオペレーションが導入された2009年12月。財務省が実施している「国庫短期証券」の利回りは0.12%前後。日銀から0.1%で資金を借りて財務省の国庫短期証券を落札できれば0.02%が手間無し・ノンリスクで金融機関は儲けることが出来ます。
わずか0.02%ですが数兆円の0.02%ですからお安くありません。おまけに国庫短期証券の償還は3ヶ月ですから新型オペの資金運用にはうってつけです。

しかも。
日銀は「担保は何でもいいよ~」と言っていますが、金融機関が差し出している担保はほとんど日本国債だそうで・・・金融機関に長期の国債を持たせて金を貸し短期の国債を捌く。
ついでに金利の押し下げ効果も狙うと。


策士!


運悪く短期国債を落札できなかった金融機関は、掴んだ金で株・為替で勝負すると。
株、為替の対策になるって寸法ですな。日銀と取引する金融機関は外銀も含まれるので外銀が運用益を出して本国送金するなら円は安値に振れる可能性があると。

しかし、この日銀貸金は3ヶ月の期限付き。金融機関が何で、どこで資金運用しようとも結局円を買い戻した上で利息をつけて日銀に返済しなければなりません。(金融機関が過剰なリスクを取れない様にしていると思われ)

しかも最近の国庫短期証券は入札殺到で利回り低下中。。。最近うまみがなくなってきたのではないだろうか、「新型オペ」。短期にでかく運用して確実に儲ける方法はかなり限られているし・・・。


新型オペは一時的な痛み止めですね。
しかし効き目が薄れてきてるような・・・


————————————–
【参考】
国庫短期証券の入札:財務省
Principal Terms and Conditions for Funds-Supplying Operations against Pooled Collateral

2010年 8月31日 火曜日 23:51 Investment, News Watch 4件のコメント

News Watch : Information from BOJ

今日は何やらいろいろな出来事があったみたいです。

【日銀臨時金融政策決定会合】
・政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を0.10%に据え置き
・政策金利の現状維持を全会一致で決定
・新型オペの期間を6ヶ月に延長
・10兆円程度、期間6ヶ月程度の新型オペを追加
・新型オペ、最終的資金供給規模は30兆円程度

【山口日銀副総裁】
・アジア経済は一部で過熱感があり、持続的成長には微妙な転換点にきている
・政策当局は物価だけでなく、金融面の不均衡にも注意している
・先進国の政策変更が自国資産市場に影響及ぼすことにも注意する
・政策運営は今後難しさを増していくだろう

【白川日銀総裁】
・為替レートを含め日本経済の先行きを考え、金融緩和を実施した
・日本経済の下振れリスクに注意する必要がある
・国債買い入れオペは現在の規模が適切
・リスク要因が標準シナリオを下方修正させる可能性を否定できない
・必要であれば、適時適切な対応をとる

・為替相場についてはコメントしない
・(日銀の追加金融緩和について)菅総理は現在の経済情勢に迅速に対応した措置と評価
・金融政策について総理から特に要請はなかった
・今後も政府と日銀の意思疎通を密に図る

【菅首相】
・経済対策の詳細は9月10日の閣議で決定したい
・日本経済は下振れリスクを抱えた状況、今後も経済の動向を十分に注視する
・9200億円の予備費を活用

だんまりを決め込んでいた日銀がこれだけ多くの情報発信をするのは久しぶり。
判断材料が揃ったのだろう。内容にいくつか示唆に富むものが含まれています。
先を見通すための参考にしたいと思います。

2010年 8月31日 火曜日 00:08 News Watch コメントはまだありません